野菜を長持ちさせる保存方法を野菜別に紹介
「せっかく買ってきた野菜が冷蔵庫の中で傷んでしまった」という経験はありませんか。
また、冷蔵できる野菜や冷凍できる野菜がわからないとお悩みの方も多いはず。
基本的には野菜は育っていた状態をキープすると長持ちするとされていますが、どんな状態で保存すればいいのか意外と知らないものです、
今回は、長持ちする野菜の保存方法について紹介します。
1、常温で保存する野菜
①イモ類
じゃがいも・さつまいも・里芋などのイモ類は、低温に弱いため常温で保存しましょう。光が当たると光合成の働きで発芽が促進してしまいます。
太陽の光だけでなく、お部屋の蛍光灯の光にも当たらないよう気をつけてくださいね。
湿度が保たれる冷蔵庫なら長期保存ができます。
②かぼちゃ
1年を通して冷暗所で保存できます。ただカットしたものは傷みやすいので、中綿と種の部分を取り除いてラップをして野菜室で保存しましょう。
③玉ねぎ・にんじん
風通しの良い場所で年中保存が可能ですが、新玉ねぎや傷みやすい夏場はポリ袋に入れて野菜室へ入れましょう。
ちなみに玉ねぎとじゃがいもは一緒に保存すると腐りやすくなるため、避けましょう。
④土ごぼう
乾燥に弱いので濡れた新聞紙に包んで立てておくか、土に埋めておきます。ただ夏場は泥を落として野菜室での保存がお勧めです。
泥付きでないものは濡れた新聞紙に包んで野菜室で保存し、早めに使いましょう。
⑤なすび
傷みやすいので野菜保存袋に入れて常温保存するのがベストです。
冷やしすぎると味落ちの原因となるため、冷やす場合はきっちりラップをするか新聞紙に包んで袋に入れてから野菜室に入れましょう。
⑥大根・カブ
葉付きのものは葉に栄養が行ってしまうため、葉の部分を落として濡れた新聞紙に包んでポリ袋に入れて冷暗所で保存します。
温かい季節は野菜室へ。
⑦にんにく
冷暗所で保存します。夏場は芽が出やすいのでポリ袋に入れて野菜室、または皮をむいて冷凍保存します。醤油やオイル漬けにしても使い勝手のいい調味料になりますよ。
⑧白菜
丸ごとの白菜は新聞紙でくるんでおけば冷暗所で1ヶ月ほど保存が可能です。
切ったものは芯をくりぬいて、水で濡らしたキッチンペーパーなどを詰めてポリ袋に入れ野菜室で保存します。
2、野菜室で保存する野菜
①キャベツ
呼吸がしづらくなるためラップは外します。成長を止めるため芯をくり抜き、濡れたペーパータオルを詰め込んでポリ袋に入れて冷蔵庫保存。
1週間は新鮮な状態が保てます。こまめにキッチンペーパーを変えることで1ヶ月もちます。
②レタス
キャベツ同様芯から傷みやすいので芯はくり抜いておきます。その場合包丁などの金属を使うと変色するので手で行いましょう。時間が経つと苦味が出てしまうので、早めに食べきりましょう。
③きゅうり
乾燥にも水分にも弱いため、水気をよくとってポリ袋にいれておくことで10日程もちます。
④トマト
冷やしすぎると味が落ちるので、新聞紙にくるんでポリ袋に入れてから保存します。重なりあったところはすぐに傷んでしまうため、ヘタを下にして重なり合わないよう保存しましょう。
⑤ほうれん草などの葉物
乾燥にも過度の水気にも弱いため、軽く霧吹きして新聞紙で包んで野菜室に立てて保存します。すぐに食べない場合は茹でてから冷蔵庫、または冷凍庫で保存します。
⑥もやし
もやしは通常だと1~2日しかもちませんが、開封後は茹でて冷蔵庫で保存すると5日ほどもちます。
また水を入れたタッパーにもやしを入れ冷蔵庫で保存するという方法だと最高1ヶ月もちますが(毎日水を替えた場合)、もやしは細菌が繁殖しやすく、ビタミンCも溶け出してしまうため栄養面ではお勧めできません。
⑦レンコン
節ごとのレンコンは、濡らした新聞紙に包んでポリ袋に入れて野菜室で保存します。泥付きの方がより長持ちします。6~9月の新レンコンは鮮度が落ちやすいため注意してください。
カットレンコンは空気に触れないようきっちりラップをしましょう。
水を入れたタッパーにレンコンを入れ冷蔵庫で保存するという方法だと1~2週間もちますが、ビタミンCが溶け出すため栄養面ではお勧めできません。
⑦しいたけ
野菜室で保存しますが、ひだのある方を上向きにしておかないと黒ずんでしまいます。
水気を嫌うので、最近の高温多湿の野菜室だとかえって鮮度が落ちやすくなります。しっかりと密封してください。
⑧ブロッコリー&カリフラワー
ラップに包んで切り口を下にし、野菜室で保存します。芯から傷みやすいのですぐに使わない場合は茹でて冷蔵、または冷凍するのがベストです。
冷凍した場合はどうしても柔らかくなってしまうため、崩れてもいいレシピ(ポタージュなど)に活用しましょう。
⑨ニラ
ニラは傷みやすい葉先から使用することで新鮮なまま使うことができます。また水を張ったタッパーに適当な大きさに切って入れておくと、冷蔵庫で5日~1週間もちます。水はこまめに替えましょう。
⑩長ネギ
洗ったネギはどんどん乾燥が進むので、濡らした新聞紙で包むかラップできっちり包んで野菜室で保存します。
刻んだ場合はタッパーに入れて冷蔵庫、水気をよく切れば冷凍保存もできます。
⑪長イモ
長芋は切り口から傷んでいきます。そのためカットされたものを買ったり、料理で余った場合には水で濡らしたキッチンペーパーで切り口を覆いラップして野菜室で保存します。10日以内には食べきりましょう。
3、野菜や果物を成熟させる食べ物
エチレンガスが発生する食べ物としてよく知られているのがりんごです。エチレンガスが発生することで同じ場所に保管されている他の野菜や果物の成熟が進みます。
つまり一緒にしておくと、他の野菜が悪くなりやすくなります。
りんご以外にも以下の野菜もエチレンガスを出すので注意が必要です。
- りんご・・・りんごはじゃがいもの発芽抑制の効果もあるため、じゃがいもと保存しておくと芽が出ません。
- アプリコット
- カンタロープ(アメリカやヨーロッパなどで一般的なメロンです。)
- イチジク
- 甘露メロン
- バナナ
- トマト
- ブロッコリー
- ピーマン
ちなみに野菜や果物を保存する袋の中には、エチレンガスを吸収する働きがあるものもあります。こうした保存袋を使用することで通常のポリ袋より長時間鮮度が保たれます。
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4、工夫すれば冷凍可能になる食材
一般的には冷凍に不向きとされている食材でも、ちょっと手間を加えてあげることで冷凍保存が可能になります。
①じゃがいも
マッシュポテトやポテトサラダなど、潰した状態のものなら大丈夫です。
②大根
大根おろしにすれば冷凍保存が可能です。
また火を通すこと前提で、カット大根も生のまま冷凍可能です。繊維質が壊れるため煮物などにするとよく味が染み込んで美味しいですよ。
③玉ねぎ・にんじん
みじん切りか薄切りにして加熱すると冷凍保存できます。玉ねぎは塩もみして冷凍すると、短時間でアメ色玉ねぎが作れますよ。
④長イモ
トロロ状態にしておくと冷凍保存が可能です。ジップロックなどに入れて薄くのばした状態で冷凍しておくと、取り出しやすいですよ。
⑤きのこ類
ほとんどのきのこ類が冷凍可能。洗わずに保存袋で冷凍し、調理に使うときは冷凍のまま使用します。
5、干し野菜のすすめ
いくら気をつけているつもりでも冷蔵庫で野菜を干からびさせたり腐らせたりしてしまう、という方にお勧めなのが干し野菜作りです。
特別な器具も必要なく費用もかかない干し野菜。料理の幅もグンと広がります。
干し野菜の魅力
・干すことで糖度が上がるためさらに美味しくなる。
・歯ごたえが出て噛む力アップ。
・水分が抜けているため、調理時間も短縮され煮崩れの心配も無し!
・皮ごと干せるので野菜本来の旨みが味わえ、生ゴミも出ずエコ!
・食材が日持ちする。
①干し野菜のつくり方
- 野菜を切る。切り口が広いほど水分が早く抜けます。切った野菜はキッチンペーパーなどでしっかりと水気をとりましょう。
- ザルやネットに並べて干す。空気が乾燥している晴れの日がベスト。日当たり・風通しの良い場所で、午前10時~午後3時頃の日差しが高い時に干しましょう。
野菜にシワが出てしんなりしたらOKです。干し具合が足りないときは翌日また干しましょう。
どれくらいの乾燥状態が良いかは料理によっても違ってきます。半乾燥状態の野菜は傷まないよう、ラップをせずに野菜室ではない冷蔵庫で保管し5日以内で食べきりましょう。
定番の大根や人参だけでなく、夏野菜のキュウリやナスも美味しい干し野菜になりますよ。
6、冷蔵庫を掃除しよう
冷蔵庫の奥から傷んだ食べ物が出てきた、、、というあなた、菌が残っていると他の食べ物も腐りやすくなってしまいます。冷蔵庫全体を掃除しましょう。
温度が低いからと油断しがちな冷蔵庫ですが、泥や葉っぱが庫内に落ちやすい野菜室は特に菌が繁殖しやすいところでもあります。
定期的な掃除をして冷蔵庫内を清潔に保つことで、更に食べ物を長持ちさせることができます。
7、プシュッとひと吹きアルカリイオン水で鮮度UP
キャベツ、きゅうり、レタス、トマトなど特に鮮度が落ちやすい野菜にはもうひと工夫!
野菜の表面にはいろいろな雑菌がいます。湿気や温度が高いと繁殖して、鮮度が落ちたり腐る原因となります。
保存方法を工夫しても、菌がいては効果は半減・・・。保存の時には野菜をしっかり殺菌しましょう。
水洗いではだめ?
野菜を洗えば、汚れや雑菌も多少落ちます。
しかし、レタスやキャベツなど葉物系の野菜は洗った後に水分をとるのが大変です。雑菌もすべてはとれないうえに水分が残れば菌が繁殖する原因となります。
アルカリイオン水で殺菌する
野菜の殺菌法で最近注目されいているので、アルカリ性をもつ「アルカリイオン水」です。
野菜の表面についている雑菌やノロウィルスなどはタンパク質でできています。タンパク質はアルカリ性のものに触れると変性して壊れるため強い殺菌効果が期待できます。
※人体に触れてもすぐに中和されてしまうため、そのまま触ったり、口に入っても安全です。
保存する前にしっかり殺菌することで、新鮮な状態を保つことができます。
農薬も落としやすくしてくれる
また、強アルカリ水は殺菌だけでなく、野菜についている農薬も簡単に落としてくれますので、新鮮で安全な野菜が食べられます。
保存前に使えば鮮度維持、食べる前に使えば農薬を落とすことができる一つで二役の優れものです。
まとめ
野菜の一番美味しい食べごろは、やはり取れたてです。でもちょっとした工夫で美味しさと栄養を逃すことなく新鮮さをキープできます。
食材を無駄にすることがなくなれば、家計も助かりますよね。
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