photo by Yuya Sekiguchi
まもなく東日本大震災から7年が経とうとしています。
突然起きた大地震、津波、原発事故などにより、ほんとうに多くの人がお亡くなりになりました。そしていまだに多くの人が避難生活をしています。
地震大国といわれる日本では、どこに住んでいてもいつ被災するか分かりません。
だからといって、便利な生活になれてしまっているとどう備えればよいか分かりません。
そこで自分が被災してみて分かった備えておくべきこと、被災時にやるべきことを紹介します。
みなさんの防災対策に役立てていただければと思います。
地震発生と家族への連絡
地震があった14時46分は、仕事をしていました。ものすごい揺れが長時間続いたので、立っていられず机につかまっていました。
何度かの大きな余震もありましたが、いったん落ち着きました。そのタイミングで、実家の家族宛にメールをしました。離れていますが同じ東北地方に住んでいます。
内容はというと、「自分は大丈夫」ということだけにしました。もし、こちらから「大丈夫?」といった内容を送ってしまうと、返信が来なかったときに自分が心配になってしまいます。
また家族も混乱のなかで無理して返信しようとするでしょう。お互いの負担を減らすためにもシンプルに自分の状況だけど伝えた方がいいと思いました。
それが正しいかどうかわかりませんでしたが、その時はそう思いました。
後で、聞いたところそのメールが来ていたのでとても安心したとのことでした。
時間が経ってからだと、電話やメールがつながりにくくなったり、回線に制限がかかることもあります。とにかく早い段階でシンプルなメールを送ることをおすすめします。
水の確保について
本震があってから数時間後に帰宅しました。道路の信号は消えていたため、幹線道路を横切る時は怖い思いをしました。
幸い家や家具に大きな被害はありませんでした。また、停電はしていましたが、断水はしておらず水は出ていました。
水道は大丈夫なのかな?と思いましたが念のために水を溜めることにしました。お風呂の浴槽、バケツや鍋などあらゆるものに水を溜めました。
そして1時間後ぐらいに水が茶色に変わり、水量がだんだん減って止まりました。
水はすぐには止まりません。上流の水と圧力が残っている間、タンクに水がある間は水はでています。でも、時間がたってから止まる可能性は十分にあります。
身の安全が確保できたら、できるだけ早く水の確保をしておきましょう。水が止まる直前は、砂などが混じってくるので、先に飲料用の水を溜めておくのがベストです。
砂混じりの水でもトイレで流すのに使ったり、食器の予洗いには使えますので、溜めておいて損はないです。
うちではレジャー用に買ってあった水タンクが活躍しました。普段はたたんでおけますので、1つくらいはもっていると便利だと思います。
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給水車はすぐに来てくれません。地域にもよりますが、数日はかかります。来たとしても長い時間並ばないと手に入りません。
もらいに行くのは本当に重労働でした。特に小さいお子さんがいる方やお年寄りの方が何十キロもある水を運ぶのは大変です。
荷物用のカートがあると便利だと思いました。
ガソリンの確保について
photo by (o’-‘)-o)゚o^)/ kobayashi
じつはこれが一番大変でした。
市内はかなり広い範囲で停電していました。当然ガソリンスタンドのポンプも動かないためほとんどのスタンドが閉店していました。
近所に災害時中核ステーションと表示しているスタンドがありました。災害などで停電していても給油できるように自家発電の設備を持っているスタンドです。
しかし、だからとって誰もが給油できるわけではなく、しばらくの間は、パトカーや救急車、災害支援用車両のみだけしか給油できませんでした。
食料の買い出しや仕事に行くのにもガソリンは必須です。職場から離れたところに住んでいたので、自転車では到底いけませんでした。
バスは本数をかなり減らして運行していましたが、始発時間も遅く、バス停はいつも長蛇の列でした。
徹夜をして20Lのガソリンを買う
仙台港が打撃を受けていたためなかなかガソリンが市内に入ってきませんでしたが、2週間くらい経つと営業を再開するスタンドもでてきました。
ネットや口コミで流れてきた情報を頼りに並びました。朝の開店に並ぶために前日の夜から車に泊まり込みました。エンジンをかけているとガソリンを消費するので毛布をもって泊まり込みましたがガセ情報も多く3回に1回はハズレでした。
昼間に並ぶのはもっと大変でした。少しづつ動くので寝るわけにもいきません。車を離れようとすると警察から注意をされるし、後ろの車とのトラブルにもなります。
最長で14時間並びましたが、トイレが一番苦労しました。ペットボトルにおしっこをしたのはいい思い出です。
何時間も並んでも満タンにできるわけではありません。ほとんどの場所で20Lまででした。
値段は普段よりちょっと高めでしたがそれは仕方ない事だと思いました。
しばらくたっても市内のホームセンターでは、ガソリン携行缶はどこでも売り切れでした。使う機会は少ないですが、1つくらい買っておいてもいいかもしれません。
被災した当日は、車に入っていたガソリンはわずかでした。
電気関係
自宅周辺は3週間近く停電していました。市内すべてというわけではなく、早く復旧した地域もあれば、なかなか復旧しない地域もありました。
送電設備や変電設備の確認や修理にかかる時間がまちまちだったからです。
調理
我が家はオール電化住宅だったため、照明だけでなく、暖房や調理器具も一切使えませんでした。そんなときに活躍したのがカセットコンロでした。
カセットコンロを使って溶けてしまった冷凍食品などを使ってご飯をつくりました。
普段からガスボンベは多めにストックしておくのがいいと思いました。
暖房
被災したのは3月でしたので、夜は冷え込みました。普段はエアコンと蓄暖を使っていましたが、停電中は使えません。
とにかく服を厚着してダルマ状態で過ごしました。
10日くらいして親戚が石油ストーブをもってきてくれたので、それからはそれで暖をとりました。ファンヒーターと違って、熱を使って料理もできるのでとても便利でした。
シチューなどおいしい煮込み料理もできて疲れきった体を癒やしてくれました。
今では、もしもの備えて石油ストーブを1台買って倉庫にしまってあります。
照明
夜は真っ暗ですので、懐中電灯を使って過ごしました。
キャンプ用のLEDタイプのランタンが非常に役立ちました。懐中電灯と違って光が広がるので、部屋全体が明るくなって過ごしやすかったです。
電池も単3だけでしたがたくさんストックがあったので、夜の電気には困りませんでした。
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一番困ったのは、携帯電話(スマホ)です。情報収集のためにネットにつないでいるとあっという間になくなります。幸いにもお隣のお宅が太陽光発電を持っていたので、昼間に充電させてもらいました。
食料の確保
それまで、地震に備えて食品を備蓄しておくという意識がありませんでした。
震災当時は、お米が数kg、乾麺、缶詰など保存できるものは食事数回分しかありませんでした。
市内への物流はストップしていましたので、ほとんどのスーパーは閉まっていました。コンビニは一部開店していましたが、品物はわずかでした。
ガソリン不足で苦労する中、口コミで聞いたスーパーに並びました。3時間並ぶのは当たり前の状態で、長いときは5時間近く並びました。
やっとお店に入っても一人10個までなど制限がありましたので吟味しながら買いました。
地域ごとに停電が復旧して行ったので、そのたびにその地域の自動販売機にいってジュース類を買い込みました。意外とみんなノーチェックだったようで、結構買うことができました。
電気が復旧してからも食料品の確保には苦労しました。
洗い物
食器
水は最初に多めに確保していたもののやはり足りません。それにいつまで断水が続くかわかりませんので出来るだけ節約して使っていました。
食器は食事のたびに汚れます。その洗う水を節約するために、お皿にアルミホイルやサランラップを巻いて使いました。
後はフライパンや鍋から直接食べたりもしてました。
お風呂関係
そんな状況なので、お風呂なんて夢のまた夢です。2日に一度タオルを濡らして、体を拭いていました。慣れればそんなに気になりませんでした。
あとは以前入院する時に買った水を使わないシャンプーがあったので、多少はさっぱりできました。
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子供だけはカセットコンロでお湯沸かし、捨てずにとってあったベビーバスにいれてあげました。それでもたった1回でした。
まとめ
取りとめもない内容になってしまいましたが、当時の様子を思い出しながら書きました。
食料にガソリン、水など個人で全て準備しておくのは無理ですが、少しずつ備えておくだけで心の余裕が生まれます。
いつまた、災害に巻き込まれるかわかりません。思いついたらすぐに備えましょう!
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