暑い季節には熱中症に注意
夏になると必ず耳にする熱中症のニュース。最近では毎年のように猛暑と言われていますが、それほど一昔前の環境とは四季のあり方も変わってきています。
テレビや新聞の報道だけではなんとなく熱中症と聞いても他人事になっていませんか。実はとても身近にある恐怖なんです。
Photo:Hot Day 8 By kasa51
熱中症の種類と対処法
熱中症には一般的に知られる熱射病の他にも色々な種類があります。
熱射病
体温が上がった為に中枢機能に異常が出ます。応答が鈍かったり、おかしな言動、意識がないなどの意識障害や、ショック状態になります。死ぬ危険もある緊急を要する状況です。
こんな症状がないかチェック!
1、体温が高い
2、意識障害
3、呼びかけたり刺激を与えても反応が鈍い
4、言動がおかしい
5、ふらついている
〇どうすれば良いの?!
集中治療が出来る病院へ一刻も早く搬送することが大切です。それと同時に体を冷やして早く体温を下げ意識を回復しないと、助かったとしてもその後に影響することがあります。次の日に町医者(個人病院)に行けばいいやなどと軽く考えてはいけません!
まず救急車を呼びましょう!
熱中症くらいで救急車を呼んでいいの?後で怒られない?と思う方もいるかもしれません。
とんでもありませんすぐに呼びましょう!!
2013年に熱中症で緊急搬送された方は5万人以上います。熱中症で亡くなった方は1000人を超えています。熱中症は命に関わる病気です。
救急車を呼んだら、その間に木陰やクーラーの効いた部屋で着ている服を緩め、全身に水をかけたり濡れタオルで体を冷やします。首筋・わきの下・太ももの付け根などを氷で冷やすことも効果的です。
足を心臓の位置より高くして、手足の先をマッサージしたり水分補給をさせましょう。
嘔吐物が喉に詰まって死亡することもあるので、吐き気がある場合は横向けで寝かせましょう。
熱失神
自分では気付かないうちになっている場合が多いのが、熱中症の初期症状でもある熱失神です。
暑さで皮膚の血管が拡張し、血流の量が少なくなることで血圧が低下、結果脳へ送られる血液が減少して引き起こされる症状です。
強い直射日光の下で長時間過ごしたり、室内でも高温多湿の環境の中で長時間作業をしたり運動をする時によく起こります。
こんな症状がないかチェック!
1、顔色が悪い
2、呼吸が荒い
3、めまいがする
4、最終的に失神
〇どうすれば良いの?!
体調がおかしいかなと思っても熱失神と気付けず、失神するまで我慢してしまうケースが多いです。体の異変を感じたらすぐに涼しい場所に異動して水分補給をしましょう。
熱痙攣
水分補給をきちんとしていても、大量に汗をかいて血中の塩分が低下した時に筋肉に痛みを伴う痙攣が起こります。痙攣は数分で治まる場合がほとんどですが、稀に長時間続くこともあります。
こんな症状がないかチェック!
1、足・腕・腹部の筋肉痛
2、手足がつる
3、筋肉が痙攣する
〇どうすれば良いの?!
涼しいところに移動して水分と塩分を摂ります。生理食塩水(1Lの水に9gの塩)を作れたらそれを補給してください。塩分補給しても治まらない場合は病院に行きましょう。
熱疲労
高温多湿の中で大量に汗をかき、体内から水分と塩分が過剰に奪われ脱水症状になった時に起こります。
こんな症状がないかチェック!
1、めまい
2、立ちくらみ
3、頭痛
4、眼のかすみ
5、吐き気・嘔吐
6、脱力・疲労
7、発熱(39度以上の高熱になることもある)
8、心拍数や呼吸数の上昇
9、血圧が下がっている
10、皮膚は冷たく大量の汗をかいている
〇どうすれば良いの?!
涼しいところに移動し、服を緩めて食塩水やスポーツドリンクで水分補給をしましょう。
熱疲労により起こる症状は人によって違います。症状がひどくなると失神したり錯乱状態になる場合もあり、その時にはすぐに救急車を呼んでください。
特に注意すべき人
特に気をつけて欲しいのが乳幼児と高齢者です。
乳幼児
汗腺が充分発達していない乳幼児は、まだ体温調節が上手くできません。それに加えて新陳代謝が良く体温が高いため、大人と比べて熱中症になりやすいのです。
そして地面から近い位置にいるため、体で感じる温度が大人よりも3~4度も高いといわれています。簡単に脱ぎ着ができる服にしたり、ベビーカーの中の様子を小まめにチェックしてくださいね。
またエアコンを付けていたとしても、子供だけを車内に取り残すことは大変危険なのでやめましょう。特に自分で暑いと訴えることができないので、見逃しがちになります。小まめに様子を観察してあげましょう。
高齢者
体内の水分が年齢を重ねると少なくなり、心機能や肝機能も低下しています。熱中症になった場合、症状が重篤になりやすいため注意をしすぎるくらいでちょうど良いのです。
熱中症はこうして予防する
では熱中症にならないために、どういった工夫を生活の中に取り入れていけば良いのでしょうか。
予防法をまとめました。
外出する時間帯に気をつける
熱中症にならないためには温度だけでなく湿度と日差しの強さも関係します。そのため日差しが強く気温も高い午前10時から午後2時の間の外出はなるべく避けましょう。
小まめに水分を摂る
屋外はもちろん、室内にいても小まめに水分を取るよう心がけましょう。汗をかく時には塩分補給にも気を配ることが大切です。熱中症予防の塩分入りキャンディーや、スポーツドリンク、麦茶の中に少し塩を入れておくのもお勧めですよ。
梅雨明けや、アスファルトやコンクリート、砂地といった高温多湿の場所で良く起こりやすいので、特に意識しましょう。
熱中症になった時の唯一おススメのドリンク
熱中症になったからといって、水やスポーツドリンクをがぶがぶ飲むのは危険です。
たくさんの汗をかいて塩分や電解質を失っているときに、飲むと体の電解質のバランスがおかしくなって危険です。飲むのならOS-1を選びましょう。
飲む点滴とも呼ばれるOS-1は嘔吐下痢をしている時の水分補給の手段としても推奨されています。少し割高ですが、即効性が違います。二日酔いにも効きますので、家にストックしておいてはいかがですか?
グッズを上手に活用する
首に巻く冷たいスカーフや冷却パッド入りの帽子やヘルメット、使い捨てカイロの夏バーション、冷感素材を使用した服や下着など、熱中症予防のグッズも沢山販売されています。
その中でも近年の売れ筋は携帯型熱中症計です。気温と湿度から熱中症に対する危険度を5段階で計測してくれるアイテムです。これらを上手に使うことで、熱中症になるリスクを下げてくださいね。
原田産業(HARADA) 携帯型熱中症計 見守りっち パープル 【日本気象協会監修】 MK-02
熱中症に負けない体作り
熱中症予防には何よりも体調管理が大切です。暑くて食欲がないとあまり食べなかったり、偏った食生活をしていませんか。毎日夜更かししていませんか。
夏は日が長くついつい気分も開放的になってしまいますが、体調が悪いと熱中症になってしまった時の症状も重くなります。
栄養バランスの良い食事を摂りしっかりと睡眠時間を確保することで、熱中症にかからない体を作っていきたいですね。
みなさんも早寝早起き、よく食べて熱中症に負けずに楽しい夏をお過ごしください!
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