寒くて乾燥する季節の始まりです。
あっという間に夏も終わり、これから寒い季節が始まります。
気温が下がると、空気は一気に乾燥していきます。
<空気が乾燥するわけ>
<外気に関して>
空気には含むことのできる水分量が存在します。
それは温度によって変わります。低い温度ほど含むことのできる水分量は少なくなります。
つまり、気温の低い冬の外気は湿度が低く乾燥することになります。
しかし、空気は乾燥していますが、相対湿度は高いため粘膜や皮膚から水分は奪われにくいです。外気で喉が渇くこともありません。
<室内に関して>
寒い季節は暖房を入れる機会が多くなります。
部屋の温度を高くすると、実際の水分量(絶対量)は変わりませんが、空気が含むことが出来る(最大の)水分量が増加します。
例えば20°の空気が10gの水分を含んでいてそれが限界のときは、湿度は100%です。(100%以上の水分は水滴となって落ちてしまいます)
そこで室温を20℃から40℃に温度を上げた時に空気が含むことのできる最大の水分量が20gだとすると、相対湿度は50%になります。(限界では 20gまで含むことができるのに実際は10gしかないから)
この考え方を相対湿度といいます。相対湿度が下がると、空気に水分が奪われるため人の肌や粘膜から水分が失われます。(洗濯物が乾くのと同じ原理です)
乾燥はお肌や粘膜に大きなダメージを与えます。
特に乾燥によって鼻やのどの粘膜は弱くなり、ウィルスや細菌に感染しやすくなります。
感染しやすくなる理由①
喉(のど)や鼻の粘膜には繊毛があります。
繊毛は、一秒間に数十回ウネウネと動き、粘液を送り出します。ウィルスや細菌はこの粘液に取り込まれ外に運び出されます。これが鼻水や痰となります。
乾燥するとこの繊毛の働きが一気に弱くなり、風邪を引きやすくなるというわけです。
感染しやすくなる理由②
インフルエンザなどウィルスによる感染は主に感染者からの咳きやくしゃみによるウィルスの飛散と言われています。飛び出たウィルスが空気中を漂い、それによって感染します。空気が乾燥しているほど、遠くまで漂いやすく感染のリスクが大きくなります。
一方、湿度が高い場合は、水分が障壁となり、また水分に取りこまれることで重くなり遠くまで漂うことはできません。
インフルエンザをはじめウィルスは空気中では壊れやすく長時間は生存できないため、感染するリスクは少なくなります。一般的に相対湿度が50%以下になるとウィルス感染のリスクが高くなるといわれています。
湿度が高いほどウィルスは死滅しますが、湿度が高すぎると部屋のカビなどの原因になります。
適度な加湿(50~60%)をすることで、粘膜を守り、ウィルスの活動や飛散を抑えることができます。
これからの季節は、湿度に十分注意して風邪を予防しましょう。
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