実はよく知らない「蚊」のこと
「蚊」はどこにでもいる身近な虫ですが、意外と知らないことばかりです。
実は、刺されるとかゆいだけでなく、感染症にかかる可能性があります。
蚊の生態
太古からいる昆虫です
蚊(カ)は、大きさが10mm前後、重量わずか2.5mg程度の昆虫の一種です。ハエ目糸角亜目カ科に属しています。世界中に約2500種が存在するとされています。
1億7000万年前の地層からも化石が見つかっている古来からいる昆虫です。
普段は花の蜜を吸っている
非常に小さな昆虫ですので、日常生活で目撃することは多くありません。
蚊の存在を感じるのは刺された時や耳のそばを飛んでいる時くらいです。もともと蚊の栄養源は糖分です。普段は花の蜜などを吸っていますので近くにくることはありません。
例外として産卵期の蚊のメスだけが産卵の栄養源として、人や動物の血を吸います。
蚊にさされるとかゆくなるわけ
メスの蚊は、産卵にタンパク質が必要なため血液を求めて飛び回ります。人を含めた動物を探す手段として二酸化炭素を感知して近づきます。
目的の動物の皮膚に達すると、口から伸びた管を差し込み毛細血管を捜します。この時管の差し込みや吸血を容易にするために唾液を一緒に流し込みます。
この唾液には血液を凝固させない成分も含まれています。この成分がかゆみのもととなります。血を吸っているときに、唾液も一緒に回収されます。
もっとも人間を死に至らしめている動物は?
人間を最も殺している生き物は何か知っていますか?
ライオンでもサメでもありません。それは「蚊」です。
マラリア
日本では蚊に刺されると「かゆい」程度のことで済みますが、他の地域では伝染病を媒介する恐ろしい昆虫となります。
古くから恐れられているマラリアは現在でも、熱帯、亜熱帯地域を中心に70か国以上に分布しています。感染者は全世界で年間3 – 5億人いるとされ、累計で約8億人の患者が発生し、死者数は100 – 150万人に上ると報告されています。
病原体であるマラリア原虫を蚊の一種であるハマダラカが媒介して広がります。
デング熱
最近に日本で発生し問題となっているのが「デング熱」です。デングウィルスが原因の熱帯病の1つです。
このデングウィルスを媒介するのがヤブカやネッタイシマカといった蚊です。
デング熱に感染した人や動物を吸血することで、デングウィルスが蚊の体内に入り込みます。10日程度でウィルスは蚊の腸管に感染しそれ以降は蚊の唾液にも含まれるようになります。感染した蚊によって血を吸われると唾液と共に体内に入り込み感染が成立します。
デング熱は2回目の感染が特に危険です。2回目に血清型の異なるデングウィルスに感染すると高い確率でデング出血熱を発症し重症化するといわれています。一度感染した人はさらに注意が必要です。
この他にも熱帯病をはじめとする様々な病原体が蚊によって媒介され多くの人が亡くなったり、苦しんだりしています。
日本での蚊による伝染病の発生とこれからの対策
蚊が媒介するのは主に熱帯病なため日本では媒介者という認識はあまりありませんでした。しかし最近東京の公園で蚊に刺された人がデング熱に感染しました。当初限られた一部の地域のみと見られていましたが、次第に広がりつつあります。
夏は終わりましたが、蚊はまだしばらくの間活動をしています。特に紅葉などを見るために山や茂みにいくことも多くなりますので、注意が必要です。
蚊の習性からみた血を吸われるリスク
二酸化炭素に集まる
蚊は二酸化炭素を感知して近づいていきます。
人は体温が上がると呼気(はいた息)に含まれる二酸化炭素が増加します。体温一度上昇で20%の増加するといわれています。そのため
- 発熱している人(体温が高いため)
- 妊娠している人(妊娠中は平均して1℃前後体温が高くなります)
- 入浴直後(体温が高いため)
- 飲酒している人(ビールの炭酸にもよってきます)
蚊は二酸化炭素の他に乳酸も好みますので 運動直後の人にもあつまります。(体温高い&乳酸が産生されているため)
このような人は特に蚊に刺される可能性が高くなりますので注意が必要です。
暗い色が好き
蚊は暗い色に引き寄せられます。蚊の多い山や庭を歩くときは、白い服を着ましょう。
血液型
詳しい理由はわかりませんが、O型>B型>AB型>A型の順で刺される割合が多くなります(白井良和 医学博士 調べ)
蚊に刺されないための対策
気をつけること
なるべく森や林など蚊が多く生息している場所に行かない
出歩くときはなるべく明るい色(白や黄色)の服を着る
体温が高い状態では外を出歩かない
蚊よけのグッズを使う
蚊取り線香
除虫菊の有効成分であるピレトリンや類似のピレスロイド系成分を練り込んだものです。
火をつけるとゆっくり燃えていきピレトリンやピレスロイド系成分が放出されます。
火をつけるタイプは渦巻き型が一般的です。リキッドタイプのものもあり電気の熱で上させて有効成分を放出します。
蚊よけスプレー
一番簡単な方法です。十分な量をスプレーしましょう。
小さなお子さんはスプレーを嫌がる場合もあります。そんなときはウェットティッシュタイプや液体タイプを使いましょう。このタイプであれば嫌がられずに顔や首に虫よけ剤が塗れます。
サラテクト ウォータージェルタイプ 200g【HTRC3】
ピジョン カユネード虫よけ ウェットティッシュタイプ30枚入 (医薬部外品)
<蚊よけスプレーで気をつけること>
もっとも簡単な方法ですが、気をつけなければならいのが、スプレーの仕方です。
ほとんどの人は露出している肌にしかしていません。先日のデング熱騒動の時もTV関係者は露出している部分にしかスプレーしていませんでした。蚊は薄い生地であればその上から刺して血を吸うことができます。衣服の上からも忘れずにスプレーしましょう。
携帯用忌避剤
蚊の忌避剤をシールやブレスレットなどにしみこませたものです。赤ちゃんや小さなお子さんの散歩のお供に適しています。
室内用忌避剤・殺虫剤
最近はピレスロイド系の薬剤を使った空間忌避剤(殺虫剤)が各社から発売されています。室内で1回プッシュすれば8時間から12時間は持続して蚊を駆除してくれます。
人間を含め哺乳類や鳥類の受容体にはほとんど作用しないので安全性の高い忌避剤(殺虫剤)です。
※カブトムシなどの昆虫にとっては毒なので飼育している場合は注意が必要です。
細かい霧状に噴霧されたピレスロイドは長時間空間に漂い留まるため長時間の効果が期待でできまます。また車内やキャンプの時のテント内での使用も有効です。密閉された空間で効果を最大限に発揮します。これ本当に効きますよ!
蚊がいなくなるスプレー 200日 無香料 45mL (防除用医薬部外品) 【HTRC2.1】 | ||||
|
蚊帳
虫除け剤でだけでは心配だったり、どうしても小さいお子さんを連れて蚊の多いエリアに行かなければならないときは蚊帳を使いましょう。
蚊の多い地域にお住まい方は寝るときも蚊帳があれば安心快適です。
軽涼ワンタッチ蚊帳 ビッグサイズ (240×220×160cm)
防虫ネット
ガーデニングや農作業をる方は、顔を覆ってしまいましょう。
【ノーブランド品】農作業用 蚊・ハチ 虫除け帽子 ガーデニング アウトドア
扇風機
蚊は数gしか重さが無いため飛行能力は高くありません。扇風機程度の風でも飛行不能となります。
よくコンビニの入り口においてある大きな扇風機はそのためです。
部屋の入り口など蚊の進入口に置くと有効です。
まとめ
蚊に刺されないためには、蚊のことをよく知って対策をするのが大切です。それに加えて虫除けグッズを併用するとより効果的です。
コメントを残す